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0.34平方キロの中を泳ぐ鮫
図書館で「新宿」をキーワードに検索したところ、もっとも多くの作品がヒットした作家は大沢在昌でした。超人気シリーズ「新宿鮫」が、その大きな要因です。本書の主人公・鮫島は新宿署で孤立無援の警部。つまり、はみだし刑事。やくざにも迷惑な存在なので「鮫」の異名を持っています。
新宿が舞台なので、新宿界隈の描写も多い。例えば鮫島が新宿署から歌舞伎町に向かう場面。「鮫島はまっすぐ地下街に向かった。地下街サブナードをぬけて、新宿通り、靖国通りを地下からつっきる。地下街にもかなりの人間がいたが、信号がないぶん、はるかに歌舞伎町方面に進むことができた」(「新宿鮫」)。
本書でも紹介されていますが、歌舞伎町の広さは、わずかに0.34平方キロ。が、そこには2,000軒以上の飲食店が看板をかかげ、週末には40万人を超える人間が一晩に訪れるのです。したがって事件は日常茶飯事。それゆえに署員は何人いても足りません。だからこそ、単独で凶悪犯人を執拗に追う新宿鮫のような存在が光を放つのだと思います。

歌舞伎町一番街入口(写真・左)とコマ劇場前広場(右)
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